キッチンは利用頻度が高く、住宅の中でも比較的早く劣化が進みやすい場所です。
適切なタイミングでリフォームをしなければ、見た目が悪くなったり使い勝手が悪くなったりする恐れがあるでしょう。
今回の記事では、キッチンをリフォームするタイミングの目安やキッチンの耐用年数についてまとめました。
キッチンのリフォームが必要な時期を把握して、計画を立てておきましょう。
Contents
キッチンの耐用年数は約10〜20年
システムキッチン本体の耐用年数は20年程度で設定されていますが、部位によって多少異なります。
各部位のリフォームが必要な時期に現れるサインも知っておきましょう。
部位 | 耐用年数の目安 | 劣化サイン |
---|---|---|
天板(ワークトップ) | 20年程度 (材質により異なる) | ・錆 ・水垢 ・ひび ・変色 ・凹み ・汚れが落ちない |
シンク | 10〜20年程度 | ・錆 ・くすみ ・ひび ・汚れが落ちない ・水漏れ |
キャビネット | 20年程度 (材質により異なる) | ・錆 ・変色 ・がたつき ・腐食 |
ガスコンロ | 10〜15年程度 | ・火がつきにくい ・火力調整ができない ・異音 ・異臭 ・汚れが落ちない |
IHクッキングヒーター | 10〜15年程度 | ・温まりにくい ・ボタンが反応しにくい ・電源が入らない ・モーター音が大きくなった ・汚れが落ちない |
レンジフード | 10年程度 | ・油汚れが目立つ ・異音 ・振動する ・ファンの回転が不自然 |
食洗機 | 10年程度 | ・水漏れ ・乾燥不足 ・異音 ・傾き ・振動する |
水栓金具 | 10年程度 | ・蛇口からの水漏れ ・本体がぐらつく ・異音 |
キッチンの不具合は、家族の衛生や安全に関わる問題です。
例えば、天板鉄板の傷やひびに細菌が入り込み繁殖した場合、調理中の食品に混入して家族の健康を損なう恐れがあります。
キッチンリフォームを考えるタイミングの例
多くの方は、以下のようなタイミングでキッチンリフォームを検討します。
キッチン設備の劣化による不具合が発生している
火がつきにくい・ボタンが反応しにくいなどの不具合は、毎日の家事効率を下げてしまいます。
キッチンの不具合のせいで食事が作れないような状態は、家族にとって大きなストレスになるでしょう。
特に火の周りの設備の不具合は火災リスクが高まるため、早めの修理を検討する方が多いようです。
掃除の手間がかかるようになった
劣化したキッチンは汚れが落ちにくくなり、掃除の手間がかかります。
特にくすみ・傷・錆は掃除で改善できないため、しっかり掃除をしてもきれいにならないと感じる方も多いでしょう。
キッチンは食事を作る場所であることから、汚れが落とし切れない状態は避けるべきです。
ライフスタイルや家族構成が変わった
ライフスタイルや家族構成が変われば、必要な設備や収納も変化します。
特に家族が増えた場合は、洗う食器の量・食器を収納するスペースも増えるのです。
また、「共働きになり家事の効率化を優先しなければいけなくなった」などの変化が、キッチンリフォームの理由になるケースもあります。
収納が足りなくなった
新築時や住宅購入時には十分だと思っていたキッチン収納の量が、いつの間にか不足しているというケースも多いです。
生活をしていれば、収納するべき調理器具や食器の量は増えるものです。
収納に余裕がなければキッチンが散らかりやすくなることから、収納量を増やす目的でキッチンリフォームを考える方も多いです。
最新のキッチンに魅力を感じた
キッチン設備は常に新しい機能が開発されており、より便利かつ高いデザイン性の高い商品が生まれ続けています。
そのため、ショールームなどで最新のキッチンシステムに触れて、リフォームを考え始める方も多いです。
最新のキッチンには、手を触れずに水が出るタッチレス水栓・大容量のキャビネット・自動洗浄付のレンジフード・汚れがつきにくい素材などが採用されており、家事の効率化が期待できます。
キッチンリフォームにかかる費用の目安と工期
キッチンリフォーム中は自宅で調理ができないことから、キッチンリフォームにかかる費用のみでなく工期も把握したスケジュールを組まなくてはいけません。
キッチンリフォームに必要な費用・工期はキッチンのタイプにより異なります。
キッチンの種類 | リフォーム費用の目安 | 工期の目安 |
---|---|---|
I型キッチン | 約100万円~ | 約5〜10日間 |
L型キッチン | 約120万円~ | 約5〜10日間 |
アイランドキッチン | 約150万円~ | 約7〜15日間 |
キッチンが独立しているタイプの方が、リフォームコストが高くなりやすいと言えるでしょう。
ただし、キッチンリフォームに必要なコストと期間は、現在のキッチンの状態・選択するキッチンシステムや追加設備により大きく異なります。
キッチンリフォームを検討する時のポイント
キッチンリフォームを検討する時には、以下のポイントを押さえて家族の理想通りのキッチンを手に入れましょう。
家事動線・生活動線を具体的にイメージする
キッチンで調理や片付けをする時には、シンク・加熱機器・冷蔵庫が三角形に配置されているべきだと考えられています。
移動距離が短く動線を維持しやすければ、家事の負担を最小限にできるのです。
さらに、この家事動線と家族の動線が交じらないように注意して、家事が進みやすいキッチンの形状を考えてみてください。
具体的に普段の生活をイメージしながら、家事動線・家族の生活動線を明らかにしましょう。
キッチン設備の機能や高さを比較検討する
キッチンは特に汚れやすい箇所であるため、汚れにくい・汚れを落としやすい素材や機能を積極的に取り入れるべきです。
また、最も調理をする時間が長い方の身長に合わせて、ワークトップの高さを考えていきましょう。
ワークトップの高さが数センチ変わるだけで、家事の負担が違ってきます。
ショールームで実際のキッチンに触れてみると、イメージが湧きやすくなります。
収納力アップも検討する
特に家族が増えた方・今後増える予定がある方は、キッチンリフォームと同時にキッチンの収納力アップも行うべきです。
吊り戸棚や足元の収納を増やすことで、収納力を大幅に向上できるでしょう。
十分な収納があれば、キッチンが散らかりにくくなります。
片付けに苦手意識がある方こそ、キッチンの収納を増やしてください。
キッチンリフォームをする時の注意点
キッチンリフォームをする時には、以下の注意点を把握しておきましょう。
注意点を知らずにキッチンリフォームをすると、期待していた効果が得られない可能性があるだけでなく、想定外の問題が起こる可能性があるでしょう。
マンションの場合は管理規約を確認する
マンションにお住まいの方がキッチンリフォームを考えている場合には、事前に管理規約を確認してください。
基本的に、購入済みのマンションは自由にリフォームできますが、専有部分以外には手を加えられません。
また、給排水管の位置などリフォームに一定の制限がかかっていることもあるでしょう。
優先順位を決めてキッチンリフォームを計画する
新しいキッチンは誰にとっても魅力的であり、本来必要だったもの以外の設備や機能も追加したくなるものです。
しかし、本来必要だったものが後回しになったり、予算を大幅にオーバーしてしまったりする問題は避けなければいけません。
キッチンリフォームを計画する際には、希望に優先順位をつけておきましょう。
特に不要な設備を追加しないように、家族に必要な設備は何か十分考えておくことが大切です。
食材の賞味期限をチェックしておく
キッチンリフォームには最低でも5日間程度の時間が必要であり、場合によっては1週間以上キッチンを使えなくなります。
その間は、外食をして過ごすことになるため、賞味期限が短い食品はリフォーム工事をする前に使い切る・買わないようにしましょう。
養生の範囲を確認する
キッチン以外の設備が汚れたり傷ついたりしないように、キッチンリフォームに必要な養生の範囲を確認しておきます。
キッチン周りはもちろん、設備の搬入経路も養生してもらうとよいでしょう。
キッチンシステムは大きな部品が多いことから、搬入経路の壁や床を傷つけてしまう可能性があります。
工事の邪魔になるものを移動する
リフォーム工事の邪魔になる可能性がある家具や家電などを移動します。
キッチン付近の家具・家電以外でも、搬入の邪魔になるものは移動するべきでしょう。
大型の家具・家電は、リフォーム会社が移動してくれることもあれば対応してもらえないケースもあります。
事前にリフォーム会社に確認をとるようにしましょう。
リフォーム後の収納を考えておく
キッチンを大幅にリフォームすると、これまで使用していたゴミ箱や収納も考え直さなければいけません。
リフォーム後スムーズに生活をスタートさせるためには、事前に収納のサイズを測っておき、必要な準備を整えるとよいでしょう。
キッチンリフォームと同時に家電を買い替える方は、家電の収納スペースに適した商品を探しましょう。
耐用年数を過ぎたキッチンは修理ではなく交換するべき理由
先ほどもお伝えしたように、キッチンの耐用年数は10〜20年程度です。
耐用年数はあくまで目安であり、耐用年数を経過しても問題なく使い続けられるケースもあります。
しかし、耐用年数が経過し何らかの不具合があるキッチンは、修理で済ませるのではなく交換を検討するべきでしょう。
なぜなら、不具合箇所を修理で改善しても耐用年数が過ぎている以上、別の不具合が発生する可能性が高いためです。
また、新しいキッチンと比較して修理した箇所が再度故障するリスクも高いです。
このような理由から、耐用年数が過ぎたキッチンに不具合が発生した場合は、修理ではなく交換を考えた方が、総額コストや労力を少なくできます。
さらに最新のキッチン設備を使うことで、家事効率の向上・節水効果なども得られるでしょう。
まとめ
キッチンの耐用年数は10〜20年程度ですが、耐用年数は使い方や素材により変わります。
キッチンの不具合は生活の質や家事効率に大きな影響を与えるため、放置せずにキッチンリフォームを検討しましょう。
特に耐用年数を過ぎたキッチンに不具合が発生した時には、修理ではなく交換を選択した方がよいでしょう。
キッチンの劣化サインを把握しておき、適切なタイミングでキッチンリフォームができるようにしましょう。