キッチンリフォームを検討している方にとって、国や自治体が提供している補助金・助成金の制度は費用の負担を軽くする大きなチャンスです。
子育て世代や若夫婦向けの支援に特化した制度やバリアフリー工事に特化した制度があるので、対象となる方はぜひ活用しましょう。
ここでは、2025年度に利用可能なキッチンリフォームで活用できる補助金・助成金の概要や申請方法、注意点などを解説します。
キッチンリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
【2025年度】キッチンリフォームで使える補助金・助成金
ここでは、キッチンリフォームで活用できる補助金や助成金をいくつか紹介します。
希望しているリフォームに当てはまる制度があるかどうかをまずは調べてきましょう。
ここでは、以下の制度について解説します。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 介護保険による住宅改修費支給制度
- 自治体独自の補助金
子育てグリーン住宅支援事業(国)
子育て世帯や若者夫婦を対象に、省エネ性能の高い住宅へのリフォームを支援する国の制度です。
対象は既存住宅のリフォームに限られており、省エネ対策だけでなく子育て対応改修工事も対象となります。
申請条件
- 2024年11月22日以降に着手した工事である
- 登録事業者*による工事である
- リフォームする住宅の所有者が申請する
- 補助金対象工事の金額合計が5万円以上である
*登録事業者…補助金対象の工事を行うことを国に申請し、認められた業者のこと
交付申請期間
2025年12月31日まで
*予算上限に達すると申請ができなくなるので、早めに申請しましょう。
対象となるキッチンリフォームとその補助金額
- 節水湯栓設置:6,000円/台
- 掃除しやすいレンジフード設置:13,000円/戸
- ビルトイン食洗機設置:25,000円/戸
- ビルトイン自動調理対応コンロ設置:15,000円/戸
- 対面キッチンへの交換:91,000円 など
これらの補助金には申請要件があるので、詳しくは自治体もしくは業者に確認しましょう。
補助金額の上限
タイプ | 必要事項 | 上限金額 |
---|---|---|
Sタイプ | 必須工事の全てを実施 | 上限60万円/戸 |
Aタイプ | 必須工事のうち2つ実施 | 上限40万円/戸 |
必須工事とは…
- 開口部の断熱工事
- 躯体の断熱工事
- エコ住宅設備の設置
これら3種類の必須工事の中から3つを実施した場合はSタイプ、2つを実施した場合はAタイプとなります。
申請要件として、補助金の対象となるには必須の工事が含まれている必要があるため、キッチンリフォームを行う場合も、エコ住宅設備の設置が含まれていること、または窓・ドア・躯体の断熱改修のいずれかと同時に工事を実施することが条件となる点を理解しておきましょう。
介護保険による住宅改修費支給制度(国)
介護保険制度の一環として、要支援・要介護認定を受けた人が安全に生活できるように自宅の改修を行う場合に、工事費用の一部が支給される制度です。
キッチン内のバリアフリー化や動線確保のための改修工事もこの制度の対象となる場合があります。
申請条件
- 要支援・要介護の認定を受けている
- 介護保険に加入している
- 対象者が自宅に住んでいる
交付申請期間
通年
*詳しくはお住いの自治体に確認しましょう。
対象となるキッチンリフォーム
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 床を滑りにくい素材に変える
補助金額
14万円/戸~18万円/戸
*20万円までの工事費用の7割~9割の金額が補助されます。
自治体独自の補助金
キッチンリフォームに関する補助金・助成金の制度は国だけでなく自治体でも実施されていることがあるため、工事をする前にお住いの自治体に確認してみましょう。
自治体独自の補助金・助成金制度の探し方
自治体によって独自に行われている補助金・助成金制度は以下のような方法で探してみましょう。
市町村の公式サイトで確認する
補助金制度がある場合は、各市町村の公式サイトに掲載されていることが多いため公式サイトで補助金・助成金があるかどうかを検索してみましょう。
自治体の窓口で相談する
お住いの自治体の窓口に直接行く、電話をかけるなどして相談してみるのもおすすめです。
建築課・都市整備課・福祉課などの窓口が担当していることが多いですが、分からない場合は受付で確認しましょう。
補助金の申請方法や具体的な流れ
補助金の交付を受けるためには、事前に準備をして正しい順序で申請をする必要があります。
補助金の種類によって交付までの流れは異なりますが、ここでは一般的な申請方法や流れを解説していきます。
- 補助金に関する情報を集める
- 補助金に対応可能な業者を探す
- 補助金の事前申請をする
- 工事契約をして着工する
- 工事が完了後、報告書などを提出する
- 補助金が交付される
補助金に関する情報を集める
まずは希望しているリフォームに関する補助金が国や自治体にあるかどうか確認します。
具体的には、国や自治体の公式サイトを確認する、自治体の窓口で相談するなどの方法で最新情報を集めるのがおすすめです。
1.補助金に対応可能な業者を探す
補助金制度によっては対象工事を請け負うことができる「登録事業者」による工事を受ける必要があるため、申請したい補助金制度に対応している業者を探して、リフォームを依頼しましょう。
2.補助金の事前申請をする
補助金の多くは、工事を行う前に申請する必要があり、申請前に着工してしまうと補助金が交付されない可能性が高いので注意しましょう。
3.工事契約をして着工する
補助金の交付が決まってから、工事を契約して着工します。
交付が決定する前に着工した場合、もしも交付がされなかった場合に備えて工事費用が支払えるように準備しておく必要があります。
4.工事が完了後、報告書などを提出する
工事が無事完了後の必要書類や写真をもとに最終審査が行われます。
5.補助金や助成金が交付される
最終審査に通過すると、補助金が交付されますが、一般的に補助金は工事費用を支払った後に交付されるため、工事費用を支払う際に一旦工事費用を支払えるように準備しておきましょう。
工事費用の支払い時期や方法については業者に確認しておくと安心です。
補助金を利用する際の注意点
キッチンリフォームを検討している方にとって、補助金制度は費用を抑えるための大きな味方となりますが、申請のタイミングや工事内容などで注意すべき点も多いです。
そこで、ここでは補助金を活用するために知っておきたい注意点を解説します。
- 補助金対象の工事かどうか確認する
- 早めに申請する
- 事前申請が必要な場合が多い
- 登録事業者による施工が必要か確認する
- 予算上限や申請期間を確認する
- 補助金が併用できるかどうか確認する
- 信頼できるリフォーム業者を選ぶ
補助金対象の工事かどうか確認する
補助金制度には必ず対象となる工事内容が明確に定められています。
例えば、窓やドアの断熱工事、高効率給湯器の設置、バリアフリー工事など、制度ごとに対象となる工事内容が異なるため、希望しているリフォームが補助対象となるかどうかを確認しておくことが大切です。
早めに申請をする
多くの補助金制度には予算上限が定められており、先着順で受付を行っているため、人気の補助金の場合、受け付け開始から数か月で予算が終了し、受付ができなくなる可能性があります。
ギリギリに動くと間に合わないことも多いので、制度がスタートしたらすぐに業者と打合せして工事の計画や申し込みの準備を進めましょう。
事前申請が必要な場合が多い
多くの補助金制度では工事の着工前に申請や承認を受ける必要があり、その場合、工事着工後には申請ができないことが多いので、注意が必要です。
補助金を利用したリフォームに詳しい業者は、申請の流れや手続きについても詳しいことが多いので、見積もり段階で補助金について相談しましょう。
登録事業者による施工が必要かどうか確認する
補助金制度の中には「登録事業者制度」が採用されているものがあります。
登録事業者制度とは、補助金に関する工事を請け負うための審査に通過した業者のみが補助金を活用した工事を行うことができるという制度です。
特定の補助金を利用したい場合は、その補助金の登録事業者である業者に工事を依頼するようにしましょう。
予算上限や申請期間を確認する
多くの補助金は予算上限や申請期間に期限があり、ます。年度内でも申請が多い場合は予算に達し、制度がスタートして数か月で終了してしまうことも珍しくありません。
また、制度の多くは事前申請が必要で、しかも申請に一定の期間がかかるので、余裕を持ったスケジュールで行動することが大切です。
補助金が併用できるかどうか確認する
リフォーム費用を抑えたいと考えている人のなかには、補助金制度を複数活用したいと思っている人もいるでしょう。
しかし、補助金制度によっては他の制度と併用ができないというルールが設けられているため、ます。利用したい制度が複数ある場合は、他の制度と併用可能かについて調べておきましょう。
信頼できるリフォーム業者を選ぶ
補助金を確実に活用して安心してリフォームを進めるためには、信頼できる業者選びが大切です。
まずその業者が補助金交付の対象工事ができる「登録事業者」であるかを確認し、見積もりの丁寧さ、過去の実績、対応のよさなどから判断してなどを確認してから信頼できる業者かどうかを見極めましょう。
信頼できるリフォーム業者の選び方
キッチンリフォームの際に補助金を活用して、なおかつ満足度が高い工事を受けるためには信頼できるリフォーム業者に工事を依頼する必要があります。
ここでは、信頼できるリフォーム業者を選ぶためのポイントをいくつか紹介します。
- 複数の業者から相見積もりを取る
- 補助金に対応した「登録事業者」であるか確認する
- 見積もりの内容が丁寧かどうか確認する
- 過去の実績や口コミを確認する
- 対応の丁寧さやコミュニケーションの取りやすさを確認する
複数の業者から相見積もりを取る
信頼できる業者を選ぶためには、少なくとも3社以上の業者から見積もりを取り、工事費用やサービス内容、対応の違いを比較しましょう。
また、工事費用の安さだけではなく、その業者自体を信頼できるかという点に注目して業者を選ぶことが大切です。
補助金に対応した「登録事業者」であるか確認する
補助金を活用してリフォームを受ける場合は、その補助金に関する工事ができると認定された「登録事業者」に工事を依頼しなければなりません。
登録事業者であるかどうかは、その補助金制度の公式サイトなどで確認することができるので、一度チェックしてみましょう。
見積もりの内容が丁寧かどうか確認する
信頼できる業者は見積もりの内容が丁寧で、材料費、人件費、諸経費などに分けて細かく記載されており、逆に、「〇〇一式」のようにまとめて記載している場合は、費用が明確でなく工事内容も分かりにくいことが多いです。
見積書を見る時は、ただ単に金額だけを見るのではなく書き方にも注目しましょう。
過去の実績や口コミを確認する
信頼できる業者を選ぶためには過去の実績やSNS、口コミも確認しましょう。
業者の公式サイトなどで希望しているリフォームに近い実績があるか、ある場合はどれくらいの数をこなしているか確認するのもよいでしょう。
対応の丁寧さやコミュニケーションの取りやすさを確認する
信頼できる業者は見積もりや問い合わせの段階でも判断できます。
こちらの要望や不安にしっかりと耳を傾け、納得できる説明をしてくれるかどうか、補助金について詳しく相談にのってくれるかどうかなども注目すべきポイントです。
また、補助金を活用したい場合は、補助金について詳しい業者に依頼すると安心でしょう。
まとめ
キッチンリフォームに補助金を活用すると、費用の負担を大きく減らすことができます。
ただし、多くの補助金には対象となる工事や申請のルールなど細かな条件があるため、補助金を活用してリフォームをしたい場合は、事前に補助金についてしっかりと調べて、計画的なスケジュールで工事を行う必要があります。
まずは、希望している工事の対象となる補助金があるかどうかを調べて、制度の内容を理解し、スムーズな申請ができるように準備しましょう。