住宅でお湯を利用する上で欠かせない給湯器ですが、給湯器は消耗品なので、しばらく使い続けていると不具合が発生するようになります。
そういった不具合が見られるようになってきたときに検討しなくてはならないのが、給湯器の交換です。
本記事では、給湯器の交換時期の目安について解説していきます。
給湯器の耐用年数や寿命に触れながら、交換のサインとなる給湯器の不具合や交換にかかる費用などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
交換時期はいつ?給湯器の耐用年数と寿命
給湯器の交換時期を判断する上で参考になるのが、給湯器の耐用年数と寿命です。
耐用年数と寿命は混同されがちですが、実は意味合いが異なるため、それぞれ正しく把握しておかなくてはいけません。
耐用年数と寿命の違いに触れながら、それぞれ詳しく解説していきます。
給湯器の耐用年数
耐用年数は、その製品が本来の役割を正常に果たせるであろう期間を定めたものです。
資産価値のある期間と言い換えることもでき、税法上の減価償却に用いられる期間でもあります。
給湯器にも耐用年数があり、その期間は10年ほどです。
ただし、「耐用年数=寿命」ではないため、10年目以降もその給湯器を正常に使える場合もありますし、もっと早く寿命がきて壊れてしまうこともあります。
耐用年数は給湯器の交換時期を判断する上でおよその目安になるため、把握しておくべきではあります。
ただ、耐用年数がきたからといって必ずしも交換するべき時期だと判断できるわけではないということも覚えておくようにしましょう。
給湯器の寿命を疑うべき9つの不具合
製品は長く使っているとさまざまな不具合が生じるようになり、通常通りに使えなくなってしまいます。
不具合が発生するようになってきたタイミングはその製品の寿命であり、交換するべき時期だと言えるでしょう。
給湯器の寿命が近づいてきたときに発生する代表的な不具合としては、以下のようなものがあげられます。
- 点火しづらい
- お湯が出ない
- お湯の温度が安定しづらい
- お湯が出てくるのに時間がかかる
- 給湯器から異音がする
- 給湯器から水漏れしている
- 給湯器からサビが発生している
- 給湯器から異臭がする
- リモコンにエラーの表示が出る
給湯器にはさまざまな部品が用いられているため、不具合の原因はいろいろと考えられますが、これらの不具合が発生するようになると、正常に使用することが難しくなります。
また、事故やトラブルにつながる可能性もあるため、寿命だと考え、交換を検討するべきです。
リモコンに表示されるエラーコードはそれぞれのメーカーによって異なるので、メーカーのホームページで内容を確認するようにしてください。
寿命の過ぎた給湯器を使い続けることで想定されるリスク
発生する不具合の種類や度合いによってはそのまま使い続けることもできますが、不具合が発生している給湯器をそのまま使い続けるのはリスクが高いためおすすめできません。
寿命の過ぎた給湯器をそのまま使い続けることで想定される3つのリスクについて解説します。
火災
不具合の発生している給湯器をそのまま使い続けていると、点火不良やガス漏れによって火災につながる可能性があるため大変危険です。
不具合の症状が出ている給湯器は、火を正しく点火することができません。
また、点火できたとしても、安定して稼働することができないため、使用する中で火災に発展する可能性があります。
不具合の症状がひどくなると、軽度の爆発を起こすようになることもあるため、1日でも早く新しいものに交換するようにしなくてはいけません。
一酸化炭素中毒
劣化して不具合が発生するようになった給湯器は、不完全燃焼を引き起こすようにもなりますが、給湯器の不完全燃焼は一酸化炭素中毒につながる可能性があり、大変危険です。
一酸化炭素中毒はガスの不完全燃焼などによって発生する有害な物質で、吸引すると、頭痛や吐き気などの症状が出るようになります。
重症になると死に至る可能性もあるため注意が必要です。
また、一酸化炭素は無色・無臭で気付きづらいという特徴もあるため、気付かないうちに吸引してしまうのを避けるためにも、給湯器で不具合が発生するようになったときにはすぐに新しいものに交換するようにしなくてはいけません。
火傷
給湯器の調子が悪くなったり壊れたりするとお湯の温度を適切に調整できなくなることがありますが、それによって懸念されるのが火傷です。
不具合の発生している調子の悪い給湯器では、急に水温が高くなるなどの症状も見られるになるため注意しなくてはいけません。
自分で適切に温度を管理することに慣れていない小さなお子さんや、対処に時間のかかる高齢者のいるお宅の場合、重大な事故に発展する可能性もあるため、とくに注意が必要です。
給湯器交換の費用相場
給湯器の交換にかかる費用の相場は以下の通りです。
給湯器の種類 | 費用相場 |
---|---|
ガス給湯器 | 14万円〜 |
エコキュート | 50万円〜 |
この金額には、交換する給湯器の本体代や工事費、古い給湯器の処分費用なども含まれています。
ただし、この金額はあくまでも目安であり、導入する給湯器の種類や性能、工事を依頼する業者などさまざまな条件によって変動します。
正確な費用を把握したい場合は、リフォーム業者に問い合わせて見積もりを出してもらうようにしましょう。
交換した給湯器をできるだけ長く使う方法
給湯器を新しいものに交換するのであれば、交換した給湯器を長持ちさせる方法についても把握しておくようにしましょう。
給湯器を長持ちさせる方法を把握し、正しい使い方を心がけることで、本来の耐用年数よりも長持ちさせられる可能性が高くなります。
具体的な方法として挙げられるのが、以下の5点です。
- 正しい方法で使用する
- 長時間の使用を避ける
- 凍結を避ける
- 給湯器まわりの環境に配慮する
- 入浴剤の種類や使い方に気をつける
正しい方法で使用する
給湯器を長持ちさせたいのであれば、とにかく正しい方法で使用することが重要になってきます。
例えば、給湯器のリモコンのスイッチが入っていないときに給湯栓を開けて水を出すと、給湯器の内部にある通水部分が結露する可能性があり、劣化を早めたり故障の原因になる可能性があります。
また、お湯を出しているときに急に温度設定を変更するのもできるだけ避けるべきですし、台風や大雨のときの使用を避ける意識も必要です。
新しい給湯器を導入したら、まずは説明書をよく読み、正しい方法を学んだ上で使用するようにしましょう。
長時間の使用を避ける
給湯器の耐用年数は約10年です。
これはあくまでも目安の期間となっていますが、同じ給湯器を10年使い続けていると不具合が発生するようになり、新しい給湯器への交換を検討しなくてはならなくなります。
ただ、1日の使用時間が長い場合は、10年経つよりも早く劣化する可能性があるので、できるだけ長持ちさせたいのであれば、長時間の使用は避けるべきです。
給湯器を長持ちさせるためにお湯の使用を制限するべきというわけではありませんが、シャワーの最中も必要ないときはお湯を止めるなど、無駄な長時間の使用は避けるようにすることで寿命を伸ばせる可能性が高くなります。
凍結を避ける
寒さの厳しい地域である寒冷地では、凍結にも注意が必要です。
寒冷地に設置される給湯器は寒冷地向けの仕様になっていて、凍結しづらくなっていますが、使い方を誤ると凍結してしまう可能性があります。
例えば、長時間使用する予定がない場合に給湯器の電源を抜いてしまう方がいますが、給湯器の電源を抜くのはNGです。
給湯器の中には凍結防止用のヒーターが備わっていますが、電源を抜くと、ヒーターが本来の役割を果たせなくなり、凍結を引き起こしてしまう可能性があります。
長期間の旅行などでどうしても電源を抜いておきたい場合は、水抜き栓を開けて、給湯器内部の水をしっかりと抜ききってから電源を外すようにしてください。
給湯器まわりの環境に配慮する
給湯器をなるべく長持ちさせたいのであれば、設置する場所にも注意しなくてはいけません。
給湯器の周りに雑草が生い茂っていると、給湯器の内部に虫やヤモリなどが侵入し、故障や不具合を引き起こしてしまう可能性があります。
また、給湯器の排気口のそばに物を置くと、排気を正しく行えなくなり、ショートサーキットによって不完全燃焼を引き起こす可能性があります。
給湯器のまわりにはなるべく物を置かず、草や木が生い茂ることがないよう、定期的にメンテナンスするようにしましょう。
入浴剤の種類や使い方に気をつける
給湯器をなるべく長く使い続けたいのであれば、浴槽で使用する入浴剤の種類や使い方にも気をつけなくてはいけません。
本格派を売りにしている入浴剤の中には硫黄の成分が含まれているものもありますが、硫黄の成分は熱交換器を腐食させる可能性があるため、使用を避けるべきです。
また、白く濁るタイプの入浴剤やバスソルトを使用するときは、追い焚きの使用は避けるようにしてください。
まとめ
給湯器の交換時期は、今使っている給湯器にどういった不具合が発生しているかで判断できます。
今回紹介した9つの不具合が見られるようになった給湯器は、なるべく早いタイミングで交換するべきです。
不具合の発生している給湯器をそのまま使用していると、火災や一酸化炭素中毒など重大な事故やトラブルにつながりかねないので、放置せずに対処するようにしましょう。
紹介した給湯器の交換にかかる費用の相場は、あくまでも一例なので、正確な金額が知りたいときはリフォーム業者に問い合わせて、見積もりを作成してもらうようにしてください。