トイレは家庭の中でも水漏れトラブルが起こりやすい場所です。
トイレの床に水が広がっていると「どこから漏れているのか」「このまま使っても大丈夫か」と不安になる方が多いでしょう。
水漏れの原因はタンク・便器・配管などさまざまで、場合によってはリフォームが必要なこともあります。
そこで、ここではトイレの水漏れが起こる主な原因と対処方法、さらにはリフォームを検討すべきケースについて解説します。
トイレのトラブルでお困りの方、トイレリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
トイレの床で水漏れが起こったら放置してはいけない理由
トイレの床に水漏れを見つけても「少しだから大丈夫」と放置してしまう方は少なくありません。
しかし、水漏れを放置すると被害が広がり、床や床下の深刻なトラブルを招く可能性があるため、すばやく対処することが大切です。
ここでは、トイレの水漏れを放置してはいけない主な理由を解説します。
- 床材が腐食する
- 床下にカビ・シロアリが発生する
- 悪臭が発生する
- 修理費用が高くなる
- 下の階に水漏れが起こる可能性がある
床材が腐食する
トイレの床はクッションフロアなど水分に弱い素材で仕上げられていることが多いです。
そのため、水漏れを放置すると床材が膨らんだり、表面が剥がれたりして腐食が進む可能性があります。
放置時間が長くなればなるほど補修範囲が広くなることが多いので、早めに補修を行いましょう。
床下にカビ・シロアリが発生する
水漏れが床下にまで及ぶと、湿気を好むカビやシロアリなどの害虫が発生する可能性があます。
カビが発生すると空気を汚染され、アレルギーなどの健康被害につながる可能性があるので、早めに対処が必要です。
また、シロアリが発生すると木材を劣化させるため、建物自体への被害が拡大する可能性があります。
水漏れは、床だけにとどまらず建物全体に影響する深刻な問題ととらえましょう。
悪臭が発生する
水漏れを放置すると、カビや雑菌が発生して、トイレだけでなく建物全体に嫌な臭いが漂う可能性があります。
特に排水管から水漏れがしている場合は、下水の臭いが逆流して、強い悪臭を発生させることがあるので注意が必要です。
水漏れが発生した時は、すばやく原因をつきとめて補修を行いましょう。
修理費用が高くなる
小さな水漏れでも放置すれば被害が拡大し、結果的に修理費用が高くなってしまいます。
例えば、初期段階であればパッキン交換などの数万円程度の修理費用で済むことがありますが、床や床下の補修が必要になると数十万円かかることも少なくありません。
補修費用を抑えるためにも、早めの点検や補修を行いましょう。
下の階に水漏れが起こる可能性がある
マンションや集合住宅の場合、トイレからの水漏れが下の階に浸水してしまう可能性があります。
場合によっては、下の階の住民とのトラブルが起こったり、修繕費の負担が必要になったりすることもあります。
特にマンションや集合住宅の場合は、早めに対処することが大切です。
トイレの床で水漏れが起こる原因
トイレの床で水漏れが起こったら、どこから水漏れが起こっているのか不安になる方が多いのではないでしょうか。
ここでは、トイレの床で水漏れが起こる主な原因を6つ解説します。
- 便器と床のすき間からの水漏れ
- 便器のひび割れや破損
- トイレタンクの破損
- 排水管・水道管のトラブル
- 温水洗浄便座の故障
- 新築時やリフォーム時の施工不良
便器と床のすき間からの水漏れ
トイレの床で水漏れが起こる原因として多いのが、便器と床のすき間からの水漏れです。
多くの場合、便器と床の接合部分のゆるみが原因で水が漏れ出します。
軽度であれば、部品交換で補修可能ですが、床材や床下まで浸水している場合は大がかりな補修が必要です。
自力で直すのは難しいので、早めに専門業者による点検や補修を受けましょう。
便器のひび割れや破損
陶器でできている便器は基本的に丈夫ですが、強い衝撃によって破損やひび割れが発生することがあります。
小さなひび割れでも内部に水が染み込み、床に水が漏れるケースも少なくありません。
特に、便器の根本部分に水が染み込む場合は、破損していることがあるので注意が必要です。
便器のひび割れや破損している場合は、専門業者による補修や便器の交換を行いましょう。
トイレタンクの破損
トイレタンクのひび割れや破損、タンク内の部品や接合部分の劣化が原因で水漏れが生じることがあります。
水漏れが起こったら便器だけでなくトイレタンクの点検も行いましょう。
タンク本体にひび割れや破損が起こっている場合は、交換が必要になるケースが多いですが、部品が劣化しているだけであれば部品交換で対応できるケースもあります。
トイレタンクの不具合を見つけたら、早めに専門業者による補修を受けましょう。
排水管・水道管のトラブル
排水管や水道管の経年劣化や接合部分のゆるみやずれなどが原因で水漏れが発生することがあります。
床下で起こっている場合は見つかりにくいため、気が付いた時には床材や床下まで被害が広がっていることも多いです。
排水管や水道管の劣化が進んでいる場合は、配管自体の交換が必要になります。
排水管や水道管のトラブルは自力での補修が難しいため、専門業者による補修を受けましょう。
温水洗浄便座の故障
温水洗浄便座(ウォシュレット)は、水と電気を複雑な構造になっているので、経年劣化による故障が起こりやすい部分です。
パッキンや吸水フィルターなどの部品交換で対応できる可能性もありますが、場合によっては温水洗浄便座自体の交換が必要なこともあります。
放置すると感電する危険もあるので、早めにプロによる補修を受けることが大切です。
メーカー補償内であれば無償で修理や交換が可能な場合もあるので、保証書を確認してみましょう。
新築時やリフォーム時の施工不良
新築やリフォームの直後に水漏れが起こる場合は、施工不良が原因のこともあります。
自力で直そうとすると、かえって状態が悪化する可能性があるので、施工を担当した業者による点検や補修を受けましょう。
保証期間内であれば無償で補修が受けられることも多いので、契約内容を確認してみましょう。
トイレの床で水漏れが起こった際の対処方法
トイレの床で水漏れを見つけたら慌ててしまい、どうしたらよいか分からないという人が多いのではないでしょうか。
水漏れを見つけたら被害を最小限に抑えるために、すばやく応急処置を行うことが大切です。
ここでは、トイレで水漏れが起こった際の応急処置の方法を紹介します。
- 止水栓を閉じる
- 電源コードを外す
- 床の水を拭き取る
- 水を拭いたら雑巾を並べておく
- 水漏れの原因を探す
- 専門業者による補修を受ける
1.止水栓を閉じる
水漏れを発見したらまずは止水栓を閉じましょう。
止水栓はトイレの床や壁の下部に設置されていることが多く、時計回りに回すと水を止めることができます。
水を止めることで被害拡大を防ぐことができるので、水漏れを見つけたらまずは止水栓を閉じることが大切です。
2.電源コードを外す
温水洗浄便座を設置している場合は、水漏れによって感電やショートのリスクがあるので、電源コードをコンセントから抜きましょう。
濡れた状態で通電すると、火災の原因になることもあるので、水漏れに気が付いたらすばやくコードを抜くことが大切です。
3.床の水を拭き取る
次は床に広がった水を拭き取りましょう。
水が床に残ったままだと床材の腐食やカビが発生し、床下にまでダメージが広がる可能性があります。
雑巾やタオルでしっかりと水を吸い取り、換気や扇風機を使用して乾燥させることが大切です。
水分を放置すると悪臭の原因になるので、丁寧に拭き取りましょう。
4.水を拭いたら雑巾を並べておく
水を拭き取っても、便器やタンクなどの破損部分から水がにじみ出てくることがあります。
その場合は、床に雑巾やタオルを並べて置き、水分を吸収できるようにしましょう。
ペット用のトイレおしっこシーツや新聞紙を代用するのもおすすめです。
5.水漏れの原因を探す
簡単な応急処置が終わったら、水漏れの原因箇所を探してみましょう。
便器やトイレタンク、水道管や排水管など水漏れが起こりやすい箇所を中心に簡単に点検します。
素人では原因が分からないことが多いので、原因が分からない時は無理に点検せず、業者に依頼しましょう。
6.専門業者による補修を受ける
トイレの水漏れは基本的に自力で原因を見つけて補修するのは難しいので、水漏れが起こったら専門業者による点検や補修を受けましょう。
プロによる補修を受けることで、再発防止や建物全体への被害を防ぐことができます。
トイレ床の水漏れでリフォームが必要なケースとは?
トイレの床で水漏れが発生したら、簡単な補修で済むケースもありますが、場合によっては大規模なリフォームが必要です。
特に以下のようなケースでは、被害が拡大する可能性があるので、早めにリフォームを視野に入れてみるのもおすすめです。
原因が分からない時
水漏れの原因が分からない場合、表面的な補修では再発を防ぐことができません。
便器やタンク、配管など複雑な構造の部位が関わっているため、素人では特定が難しいケースも多いです。
原因不明のまま放置すると、床材や床下にまで被害が広がってしまう可能性もあるので、早めに専門業者による補修を受けましょう。
対処法が分からない時
水漏れの原因が特定できても、自力では補修できないことが多いです。
特に、床材や床下にまで被害が広がっている場合は、プロによる補修を受ける必要があります。
対応を間違うと被害が広がり、結果的に高額な補修費用が必要になるケースも多いので、自力での補修は控えましょう。
何度も繰り返す時
補修を行っても何度も水漏れが発生する場合は、配管や便器、床材自体の劣化が広がっていることがあります。
部分補修では根本的な原因が解決できないケースもあるので、何度もトラブルを繰り返す場合は、トイレ全体のリフォームも視野に入れてみましょう。
トイレが古い時
築年数が経過している住宅や20年以上使っているトイレは、便器やタンク、配管などの設備が劣化している可能性が高いです。
古いトイレの場合、部分補修だけで対応できないことも多いので、トイレ全体のリフォームを検討してみましょう。
集合住宅やマンションで水漏れが起こった時
集合住宅やマンションのトイレで水漏れが起こると、下の階まで浸水して被害が広がることがあります。
住民間のトラブルになったり、高額は補修費用を負担したりすることも少なくありません。
特に、集合住宅やマンションのトイレで水漏れが起こった場合は、早めに専門業者に相談しましょう。
トイレの床の水漏れと似た症状
トイレの床の水漏れは、便器やタンクなどの故障や劣化だけが原因で起こるわけではありません。
ここでは、補修が必要ではない水漏れと似た症状について解説していきます。
結露
結露とは、湿度が高い時や温度差がある時に発生する症状の一つで、冬の寒い日や夏の湿度が高い日に発生することが多いです。
トイレタンクや便器で結露が発生すると、その水滴が床に落ちて水漏れが起こったように見える時があります。
結露を放置すると、床にカビや腐食が発生する可能性があるので、こまめに拭く、結露防止シートを貼るなどして対策を行いましょう。
尿漏れ
尿漏れが原因で床が濡れてしまうケースもあります。
特に小さな子どもや高齢者がいるご家庭では、便器の周りに尿が飛び散ってしまい、シミや臭いを発生させることがあります。
尿もれを放置すると、独特のにおいやシミが発生することがあるので、こまめに掃除を行いましょう。
トイレの水漏れ補修にかかる費用相場
トイレの水漏れを直す場合、補修の範囲や被害の程度によって費用は大きく異なります。
ここでは、トイレの水漏れが発生した場合に行う主な補修内容とその費用相場を解説していきます。
部分補修:15,000円~
水漏れの原因がパッキンの劣化やボルトの緩みなどの場合、部分補修で対応することができます。
部品交換の場合は、交換する部品によって費用は異なりますが、15,000円~の費用感で対応可能なケースが多いです。
床材の張り替え:5万円~
水濡れが床材にまで及んでいる場合は、張り替えが必要です。
一般的に使用されているクッションフロアの場合5万円~、耐久性やデザイン性が高い高機能タイルの場合15万円以上かかることがあります。
さらに、床下まで浸水している場合は、下地補修を行う必要があり、高額な費用がかかるケースが多いです。
便器交換:15万円~
便器にひび割れや破損が生じている場合は、便器交換を行うのが一般的です。
便器交換にかかる費用は、新しく設置する便器の種類やグレードによって費用が異なりますが、15万円以上かかることがあります。
古い便器を使用していて不具合を繰り返す場合は、修理を繰り返すよりも便器交換をする方が経済的なことも多いです。
トイレ全体のリフォーム:30万円~
水漏れを繰り返している場合、トイレが古い場合、床材や配管の劣化が進んでいる場合は、トイレ全体のリフォームがおすすめです。
費用は3020万円以上が目安ですが、選ぶ便器や床材の質やグレードによって大きく異なります。
水漏れの不安を解消し、快適なトイレ空間を実現するためにも、トイレの全面リフォームを検討してみましょう。
トイレの水漏れを予防するための方法
トイレの水漏れは突然起こることが多いですが、普段からの心がけで予防することもできます。
ここでは、トイレの水漏れを防ぐために実践したい簡単な方法を3つ紹介していきます。
- 定期的に清掃して清潔に保つ
- 定期的に点検を受ける
- 不具合が出たらすぐに対処する
定期的に清掃して清潔に保つ
トイレを常に清潔な状態に保っておくことは水漏れの予防につながります。
便器やタンク、床などを日頃から清潔に保っておくことで、部品の劣化や結露に早く気付くことができます。
特に、水漏れの原因になりやすい便器の根元や配管の接続部分はほこりが溜まりやすいので、清掃のついでに点検を行いましょう。
定期的な清掃はトラブルの早期発見につながります。
定期的に点検を受ける
トイレの水漏れや不具合を早期に見つけるためには、プロによる点検を受けることも大切です。
プロであれば素人では確認できない床下や配管の状態まで確認することができます。
特に、築年数が経過しているトイレなど古いトイレは、床下で水漏れが起こっていることがあるので、年に1度は点検を受けましょう。
不具合が出たらすぐに対処する
便器のひび割れや欠けなど小さな不具合を見つけたら、すぐにプロによる点検や補修を受けましょう。
小さな不具合を放置すると、水漏れなどの大きな不具合に発展する可能性があります。
初期のトラブルのうちに適切に対処することで、修理費用を抑えることも可能です。
長く快適にトイレを使用するためにも、不具合を見つけたらすぐに対処しましょう。
信頼できるリフォーム業者を選ぶポイント
トイレの水漏れを修理・リフォームする際にはどのような業者に依頼するかによって仕上がりの質が大きく異なります。
長く安心してトイレを使用するためには、信頼できる業者を見極めることが大切です。
ここでは、リフォーム業者を選ぶ際には以下のポイントに注目しましょう。
- 複数社で相見積もりを取る
- 過去の実績や口コミ・評判を確認する
- 施工後の保証やアフターサポートの有無を確認する
- 対応が丁寧な業者を選ぶ
複数社で相見積もりを取る
リフォームを依頼する際は、必ず複数の業者で相見積もりを取りましょう。
複数社から見積もりを取ることで、適正な価格や工事内容を比較して業者を選ぶことができます。
少なくとも3社程度の業者から見積もりを取り、お客様の目的や予算に合う業者を選びましょう。
過去の実績や口コミ・評判を確認する
業者を選ぶ際は、過去の施工実績や写真、事例などを公式サイトでチェックしてみましょう。
過去の実績をチェックすることで業者が得意としている工事内容を知ることができます。
また、実際に工事を受けた方の口コミや評判も確認することで、現場の対応や仕上がりの満足度を知ることができます。
インターネットやSNSなどで口コミや評判をチェックしてみましょう。
施工後の保証やアフターサポートの有無を確認する
信頼できる業者は、工事後の保証やアフターサポートが充実していることが多いです。
万が一、工事後に不具合が起こっても、保証があれば適切な対処が期待できます。
保証内容や期間は業者によって異なるため、契約前に必ず内容を確認することが大切です。
アフタフォローの丁寧さは、業者の信頼性を判断する重要なポイントとなります。
対応が丁寧な業者を選ぶ
信頼できる業者を見極めるためには、見積もりや問い合わせ時の対応をチェックしましょう。
質問に丁寧に答えてくれるか、費用や工事内容について丁寧に説明してくれるかは業者の信頼性を見極める重要なポイントです。
対応が丁寧でコミュニケーションが取りやすい業者は、工事中や工事後のフォローが手厚い傾向にあります。
まとめ
トイレの床の水漏れは、便器やトイレタンク、水道管や排水管などの配管などの不具合によって起こるトラブルの一つです。
水漏れを見つけたらすぐに水分を拭き取って、専門業者による点検や補修を受けましょう。
トイレの水漏れの原因となる不具合は、自力で直すのは難しいケースが多いので、プロの力を借りることをおすすめします。
トイレが古い、不具合を繰り返している、などの場合は思い切ってリフォームも検討してみましょう。